自転車で台湾一周に挑戦している豪商クラトロ(@clubtropixxx1)です。
毎日必死で自転車を漕ぎつつも、台湾一周中では台中、台南、台東、花蓮の各都市で4人の女性とロマンスできました。
その体験をぜひシェアしたく、この台湾一周ツアーのクラウドファンディングに「ロマンス紀行リターン」を作りましたので、ご興味ある方は投資をお願いいたします。
このリターンで台南、台東、花蓮での女性との邂逅での豪商純文学が味わえます。多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。
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ペダルが重い。私はあきらめて最後の力を振り絞り、自転車を押す。台湾中部の都市・台中の中心街は、もうそこだ。
その日の日中に新竹、苗栗の海岸線で強風に煽られてボロボロになった体が悲鳴を上げていた。
時刻は23時。気温は20℃ほどだったと思うが、全身から汗が噴き出ていた。自転車での台湾一周ツアー挑戦2日目。
彼女と出会ったのは、その翌日のことだった。
台北を自転車で出発して3日目。その日は台中で休む予定だった。
自転車を2日間で200km漕いだ体は疲れていたが、不思議とホテルの部屋にいようとは思わなかった。コインランドリーで洗濯する服を持って、ホテルを出た。
台中という街には不思議な縁がある。初めて台中に来たのは、10年以上前。台北のクラブでナンパした台中女性に会いに来た時だ。
それ以来、旅行で何度か台中を訪れたが、台北に引っ越してきてここ2年半は台中に遊びに来たことがなかった。近くにあれば何とやら。
鼻歌まじりで自転車を漕いだ。照りつける日差しは4月なのに、まるで真夏。
ホテルを出て10分ほど自転車を漕ぎ、台中の繁華街・一中街に着いた。この繁華街に来たのは初めてだった。
台中というと、台北と違い車社会で人々は道路を歩かない印象がある。地下鉄もまだ開業されてない。
しかし、この一中街は私の台中の街の印象とは違った。メインストリートを平日の昼間にしては少なくないであろう人々が歩いている。
カレーを食べて一息ついていると、目の前を美人が通りかかった。私は声をかける。最初は警戒していたが、私が自転車で台湾一周していると自己開示すると、興味を示してくれるようになりLINEを交換した。
自己開示というのはナンパ、ひいてはコミュニケーションすべてにおける最重要項目の1つだ。
そのあと私は、一中街を歩く女性たちを流れるようにナンパした。額に汗を浮かべる程度には暑かったけれども、気にならなかった。思うに、私は知らない繁華街に来るとナンパをしたくなる性分らしい。
韓国・釜山に行ったときもそうだ。主催するナンパツアー前々日に釜山入りした私は1人で深夜の繁華街に繰り出し、ナンパを含め人々と積極的に交流し、ダーツバーで男女とダーツしたり、屋台で少し年上の男性と飲んだりした。彼らはあまり英語ができなかった。
数えきれないほど海外の都市に行ってきたけれども、私は観光地にはさして興味がない。
そこに住む人々の暮らしに興味がある。どんな街で、どんなものを食べ、どんなものを見て、どんなものを感じ、どんな生活をしているのか。
そういう欲求が高まると、私はナンパという行為を流れるように行う。恐怖だったり羞恥心よりも、興味が勝るのだ。小一時間ほど一中街をブラブラしながら、素敵な女性を見かけては声をかけ、LINEを聞いたり聞けなかったりした。
カフェで休憩したあとに、一緒に台湾一周をしている友人と打ち合わせるために、スターバックスの入った百貨店に向かった。近くに自転車を停めて百貨店に向かう間に彼女に出会った。
いつものように中国語のオープナー(声かけ)であまり良い反応ではなかった。
しかし、彼女は立ち止まる。自分が台北から来た日本人だということを告げる。何度も書くが、自己開示はコミュニケーションにおける最重要事項の1つだ。
「僕はいま自転車で台湾一周中なんだ。昨日新竹から台中に来て今日は休み」
思いもよらぬ答えが返ってきた。
「私も自転車で一周したことあるよ」
「え?本当に!女の子1人で?それはすごいな」
なんとたまたま話しかけた彼女も台湾一周の経験者だったのだ。これには驚いた。台湾一周中に、台湾一周していた女性と出会うことは普通はない。水星がぶつかる確率よりも低いかもしれない。
しばしナンパで声をかけたことを忘れて、私は彼女にこの後のルートの難所などを聞いていた。しかも彼女は女性で1人で自転車台湾一周をしたらしい。
私は、人と違ったことができる、いわゆる非量産型の人間は男女問わず大好きだ。誘わない手はなかった。
「今晩空いてる?よかったらご飯行こうよ」
「この後仕事なんだけど、そのあとでいいなら多分大丈夫かな」
「わかった。じゃあまた連絡して」
こうして彼女と、ご飯の約束を取り付けた。そのあとは再び夜の一中街をぶらぶらしながら出店を眺めていた。
彼女とのやり取りで場所は、前日に見つけたホテルの近くの飲み屋を提案して、快諾された。もし、その日の目的がロマンスならば寝れる場所の近くで女性と会うのは定石だ。
約束の時間になって店に向かうと彼女から仕事で遅れるという連絡が入る。私はお店のテラス席でビールを飲みながら待った。テラス席と言えるほど上等なものではなかったけど。
仕事で遅れた彼女がバイクでやって来た。私たちは店の中の席に案内された。バーと熱炒(台湾居酒屋)折衷スタイルの変わったお店だった。私のお気に入りのビールで乾杯した。
南部の町・高雄出身の彼女は台中で薬剤師をしていた。夜の仕事は学習塾で数学を教えているという。
先ほど、夜の仕事と聞いた時に、実はキャバクラかなと思ってしまった。なぜなら台北では「台中はキャバクラが多い」と有名だからである。
彼女は賢い女性で、私の生活や人生についていろいろと質問をしてきた。
異邦人に知的興味を示すのは、一定以上の知能を持つ人間だと思う。どう話したら彼女に良いイメージを植え付けれるのかと思案しながら話していた。
また高雄出身で台中に住んでいる彼女だからこそ、こういう外国人は珍しいので興味をそそるのも事実だろう。経験上、地方都市のほうが首都よりもその可能性が高い。首都には外国人を含め本当に多くの人間が集まるものだ。
場所でレバレッジをかけるのも、素敵な女性と出会うためには大事だと思う。
久しぶりに来たアウェイだと感じる街で、女性と酒を飲むのはシンプルに楽しい。私は、その街にいる女性を知ることで街を知ろうとする。
「台湾一周中に台湾一周した人にこうして会うなんてこれ運命だよ」
「そうかもね」
3品ほど食べて店を出ようとする。彼女がトイレに行ってる隙にお会計をした。
「お金払ったの?悪いよ」
「じゃあ次出してよ」
「どうする?」
「コンビニで買って僕の部屋で飲もうか。静かだし」
正直、あまり自信はなかったけどオファーをしないことには始まらない。断られたら近くにある他の店を提案すればいい。
「うんわかった」
ホテルに向かう市場の道を歩きながら、昨晩市場の店先で豚を解体していたのを見た話をした。台北の市場では一度も見たことがないと。彼女の気が変わらないように。
何度もこんなことしてきたけど、未だに緊張というか、気を遣う瞬間ではある。
ロサンゼルスでナンパしていた時の仲間の話を思い出した。「この間クラブから女性を家まで連れ出した時の車の30分は緊張したよ」
車は勝手に降りれないけど、歩いている分には女性はいつでも離脱できる。そんな心配をよそに私たちは、ホテルに入った。
彼女は椅子に座り、私も対面で椅子に座ってビールを飲みながら2時間ほど話していた。彼女は楽しそうに私の海外での話を聞いていた。私も彼女と話すのが楽しくて、ついつい話過ぎてしまった。
10年以上前の台中に来た時は、日本語が少し喋れる女性で日本語と英語で会話したけど、今はこうして中国語で会話ができる。人っていうのは成長するものだ。
私はベッドに移動して腰かけた。彼女にこっちにおいでと言う。彼女は「いやいやなんで」と言いながら横に腰かける。
そういえば、ここまで彼女にはほとんど触れていなかった。目を見つめて、髪をなでる。
私と彼女の会話はすごく盛り上がったけど、もう2人に言葉はいらなかった。
翌朝。私は彼女の太ももの上に寝そべりながら出発したくないなと思った。
100km先の嘉義という街に行かなくてはならない。こうして女性に受け入れてもらえるだけで、その街に受け入れられた気がして愛着が湧く。
しかし、台湾を一周するということは、この旅の中では同じ場所に戻ってこないということだ。でも、彼女との縁があれば、きっとまたこの街で会えるだろう。
彼女とホテルの前で別れて、自転車に跨る。
まだ始まったばかりの台湾一周の旅で、この先どんな素敵な一期一会が待っているんだろうと思いを馳せつつも、台中の街への名残惜しさを感じていた。
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割とおもしろかったと思う方は、ぜひクラウドファンディングに「ロマンス紀行リターン」で台南、台東、花蓮での女性との邂逅も読んでみてください。気合い入れて書きます!